実家の片付けを自分でやるという選択。家財処分のメリットと現実
家財処分は、必ず業者に頼まなければいけないものではありません。
実家の片付けや家財処分を「自分でやるべきか、それとも業者に依頼するべきか」
と迷っている方も多いと思います。
ただ、私は仕事として家財処分に関わる中で、
そして自分自身の立場としても、「自分でやる」という選択について最近よく考えます。
実家エピソード
仕事で家財処分をしているとき。
モノを分別してゴミ袋に入れている時にふと、
自分の実家のことを思い出します。
私の実家は一軒家で、もともと4人家族で暮らしていました。
今は私も妹も家を出ていて、両親2人暮らしです。
私の荷物はもうほとんど残っていません。
妹は遠方に住んでいるので、わざわざ送るより、必要になったらその時に現地で揃えればいい。
そんな理由もあって、妹の荷物は今もそのまま残っています。
私は実家の近所に住んでいるので、結婚後、
少しずつ自分のモノを取りに行ったり、処分することができました。
だから残っていないだけで、もし私も遠方に住んでいたら、
妹の荷物と同じように、今も実家で大事に保管してくれていると思います。
両親は買い物が好きで、同時にきれい好きでもあります。
家の中は整頓されていて、一見するとすっきりしています。
でも食器棚やクローゼットの中には、物がびっしり詰まっています。
隙間なく、上手に詰め込まれています。
先日、旅行好きの父にキャリーケースを借りに行ったとき、
「好きなサイズを選んでいいよ」と言われ、
サイズ違いのキャリーケース10個ほどの中から選びました。
(こんなに持ってるんだ…)と正直びっくりしました。
両親は「処分している」と言います。
きっと本人たちからすれば、減っているのだと思います。
今のところ、私が見る限りでは(どこが変わったのかな?)という感じですが、
それは本人たちには言わずに過ごしています。
この先、いつか実家の家財を整理する日が来るんだろうな。
相当な体力がいるだろうし、時間もかかるはず。
今から覚悟しておかないとな、と思っています。
「元気なうちに一緒に整理しようか」と言って整理をしたとしても、
「これはまだ使うから」という返事をして、元に戻す両親の顔が想像できます。
なので、実はまだ一度も「一緒に整理しよう」と言ったことはありません。
それを言わないのは、
元気なうちに自分たちで少しずつでもいいから処分してほしいという気持ちがあるのと同時に、
たとえ今、両親は使っていなくても、
私たち姉妹がいつか使うかもしれないと思って残してくれているモノもあるのだろうな、
と感じるからです。
そう思うと、強くは言えないところもあります。
仕事として家財処分をしているとき、私は物に感情はありません。
躊躇なく分別して、袋に入れていきます。
でもそれが、自分の親の持ち物だったら。
自分が小さい頃に使っていた物だったら。
同じように処分できるのかと聞かれたら、
正直、普段のようには動けないだろうなと思います。
普段の生活でも、「やったらスッキリする」と分かっていても、
期限がなければ後回しにしてしまうことはたくさんあります。
それが、
・量が多くて
・期限があって
・感情も絡んでいる
となると、きっと想像以上に大変です。
業者である私ですら、そう思います。
家財処分を自分でやるという選択
こうやって考えると、
家財処分は自分で「やる・やらない」の話ではなくて、
その人の状況やタイミングによっても、重さが全然違ってくるだろうなと思います。
時間に余裕があるときと、
退去期限が決まっているときとでは、
同じ量の荷物でも感じ方はまったく違います。
体力があるときと、
仕事や自分の生活だけで手いっぱいのときでも違います。
そして何より、
そこにどれだけ“気持ち”が乗っているかでも、
作業の重さは変わると思います。
だから私は、
「自分でやるのが正解」とも
「業者に頼むのが正解」とも思っていません。
それぞれに、良い面もあれば、しんどい面もある。ここからは、
家財処分を自分でやる場合のメリットと、
知っておいてほしい大変さについて、
現場で感じていることを正直に書いてみます。
自分でやるメリット
家財処分を自分でやるメリット①|自分のペースで進められる
家財処分を業者に依頼する場合、
処分する物は見積もりの段階でほぼ決まります。
「これも処分で大丈夫ですか?」と確認を受けながら、
限られた時間の中で判断していきます。
効率よく進めるための流れですが、
あとから気持ちが変わることもあります。
実際に、数日にわたる作業の現場で、
「やっぱりあれは残したい」とご連絡をいただいたことがありました。
ただ、その時にはすでに処分が進んでいて、
お戻しすることができませんでした。
業者に依頼すると、作業は予定通りに進んでいきます。
一度決めた内容を、あとから見直すことは難しいこともあります。
一方で、自分で整理する場合は、
迷ったものを一度保留にすることもできます。
今日はここまで、と区切ることもできます。
体力的には大変ですが、
気持ちの整理と同じペースで進められるのは、
自分で行うからこそできることです。

家財処分を自分でやるメリット②|まだ使えるものを活かせる
家財処分の現場では、
まだ十分に使える物が多く出てきます。
「これはご家族で整理できたらよかっただろうな」と思う場面もよくあります。
たとえば、クローゼットやタンスに入っている洋服。
特にお母さんの服などは、娘さんなら着られそう…と思うものもあったりします。
新品のタグがついたままの服や、
袋に入ったままの衣類がたくさん出てくることもあります。
ティッシュや洗剤など、 どのご家庭にも日用品のストックはあります。
業者として作業する場合、
ご依頼内容に沿って分別・搬出していきます。
まだ使える物であっても処分対象になります。
けれど、ご家族で整理する場合だったら、
「使う」という選択ができると思います。
誰かが着る。
持ち帰って使う。
必要な人に譲る。
そうやって、モノの役目をきちんと終わらせることができるのは、
自分で整理するからこそできることだと思います。

家財処分を自分でやるメリット③|気持ちの整理につながる
アルバムや思い出の品もそうです。
普段はわざわざ開くことがなくても、
整理の途中で出てくると、立ち止まって見入ってしまいますよね。
そのときに、
保管するのか
処分するのか
自分で決めることができる。
それは気持ちの整理にもつながると思います。
ただし、
モノを手放す判断が苦手な方にとっては、
それが逆に負担になることもあります。
置く場所はあるのか。そこを冷静に考えられる人にとってはメリットですが、
そうでなければ、自宅のモノが増えるだけになってしまうこともあります
家財処分を自分でやるメリット④|知識と達成感が残る
家財処分を自分でやるとなると、
分別の仕方や自治体のルールなど、
知らなかったことを調べながら進めることになります。
普段なら「わからないから放置」して過ごせますが、
「調べて実行する」に変わらないと進めません。
でも、終わったときには、
最初よりずっといろいろなことを知っている状態になっています。
そして、何もなくなった家の中を見ると、
正直、爽快です。
「これ全部、自分たちでやったのか」
その達成感は大きいと思います。結果として、業者に頼めばかかっていた費用は発生しません。
もちろん、その分、自分の時間と労力は使っていますが、
それも含めて納得できるなら、大きなメリットです。
家財処分を自分でやるデメリット
ここからは、実際に処分していて感じる「大変なところ」をお伝えします。
家財処分を自分でやるデメリット①|ゴミ出し日は待ってくれない
家庭ごみには、決まった収集日があります。
可燃ごみは週に2回、
不燃ごみは2週に1回、
粗大ごみは予約制…。
分別が終わっても、
その日に出せなければ、また次の収集日まで部屋に置いておくことになります。
部屋にまとめたゴミ袋が何日も並ぶこともあります。タイミングを計算して動かないと、
「分別は終わったのに、ゴミが捨てれない」という状態が続いてしまいます。
こうした細かな調整も必要になるのが、実家の片付けを自分で進める難しさです。

家財処分を自分でやるデメリット②|思った以上に進まない
アルバムが出てくると、つい見入ってしまう。
手紙が出てくると、読み返してしまう。
自分や自分の家族、親戚との集まりの時の写真などができてきしまったら…
片付けようと思って始めたのに、
気づいたら思い出に浸って1時間経っていた…。気持ちが動く作業なので、
作業効率だけでは進まないのが家財処分です。
家財処分を自分でやるデメリット③|捨てる判断が鈍る
思い入れのある物は、どうしても迷います。
断捨離が得意な人もいれば、
「捨てる」がとても苦手な人もいます。
苦手な人は、どれも「とりあえず残す」になりがちで、
結果、分別が進まず終わらない。
実は、仕事で処分している私でも、
アルバムやぬいぐるみを袋に入れるときは、
「ごめんなさい」と思いながら分別しています。
家族の物なら、なおさらだろうな…と思います。

家財処分を自分でやるデメリット④|体力が想像以上に必要
分別自体は、やり方がわかっていれば単純作業です。
でも、
量がとにかく多い家だったら。(私の実家のように…)
45リットルのゴミ袋が、
一部屋だけで20~30袋出ることも珍しくありません。
それを2階がある家なら、階段で何往復も運ぶ。
両手に2袋ずつ持てたとしても、
階段が狭ければ危険です。
安全を優先すると往復回数は増え、
想像以上に体力を消耗します。
年齢や体格によっては、体力的に難しいと感じる場面も少なくありません。
衣類も軽いようで、
袋いっぱいになるとかなり重い。
そしてタンス、ベッド、テーブル
これはもう、1人では無理です。
私たちも通常は夫婦2人で作業しますが、
大きな家具は私が手伝ったところで持ち上げられなかったりするので、
後日、応援を頼むこともあります。女性1人ではまず無理だと思います。
男性でも協力者がいなければ厳しいと思います。
🔎突然の入院や施設入所がきっかけで、
急いで片付けなければならなくなるケースもあります。その場合については、
▶︎ 高齢の親が入院したとき、家の片付けはどうする?家族が直面する現実と解決策
で詳しくまとめています。
家財処分を自分でやるデメリット⑤|終わりが見えない不安
私たちは、ある程度の量を把握してから作業に入ります。
それでも、
「開けてびっくり」はよくあります。
その場合、想定よりも時間がかかることになります。
ただ、私たちには「完了日」があります。
その日までに終わらせる責任があります。
今までこちらの都合で期日を延ばしてもらったことはありませんが、
正直、かなり無理をして終わらせることもあります。
慣れていないと、
・どれくらい時間がかかるのか分からない
・終わる目安が見えない
・期限があると焦る
焦ったところで、
間に合わないものは間に合わない。そうなったらどうしよう…
という不安も増えていきます。
最初は「自分でできる」と思って始めても、途中で時間や体力の面で限界を感じる方もいます。
🔎実際に家財処分を依頼する場合、
「見積もりでは何を見られるんだろう?」と不安になる方もいます。
見積りの流れについては、別の記事で詳しく書いています。
▶家財処分の見積もりってどんなことをするの?当日の流れと確認ポイント

まとめ
家財処分に正解はありません。
自分でやるのも一つの選択。
頼るのも一つの選択。
家財処分を自分でやるのは、
物量が少ない場合や、期限に余裕がある場合には、
十分現実的な選択です。
でも、
時間、体力、期限、物量、そして気持ち。
どれかが重なると、急に重たくなります。
最初は「できる」と思っていても、
途中で限界を感じることもあるかもしれません。
そのときの状況によって、
最適な方法は変わります。
大切なのは、
無理をしすぎないこと。
実際に家財処分の現場に立っている立場から言えるとするなら、
もし途中で手が止まったときは、
「ちょっと聞いてみようかな」くらいの気持ちで、
相談してもらえたら嬉しいです。
家財処分を自分でやるか、業者に頼むか。
迷ったときは、状況を整理するところから始めてみてください。
🔎大牟田市・荒尾市で家財処分をご検討中の方は、
▶︎ ○○市で家財処分をご検討中の方へ|高齢者世帯の片付けをお手伝いします
もあわせてご覧ください。
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